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8月は円高になる確率が高い理由為替レートの変動には様々な要因が重なっています。一般的には、短期的には対象国の金利の上げ下げや地政学的リスクの変動を材料に、投機筋の思惑売買によって変動します。長期的には購買力平価や金利平価など、そして最終的にはその国の栄衰盛枯を反映して変動します。 しかし時には、かなり高い確率でパターン化した為替変動が起こる時期というのが存在します。その典型例が「8月は円高になる」というアノマリーです。毎年8月のドル円レート(月初と月末の比較)は、7〜8割の高い確率で円高ドル安に振れているのです。2000〜09年の10年間では8回が円高で、円安になったのはわずか2回です。これほどはっきりと、為替レートの動きが偏るのは珍しい傾向です。 これには明確な理由があると言われています。毎年8月中旬に、米国債の利払いが行われるため、その利子を円に両替する為に大量のドル売り=円買いが起こることが原因というのが定説です。 しかし実際に、米国債の利払い自体は、為替相場に大きな影響を与える規模とは言えません。日本政府は約7000億ドルほどの米国債を保有していますから、年2回の利払いと仮定して利息は約2%分としても、140億ドル分の円買い需要が発生する計算になります。ところが、ドル円の一日の取引金額は、貿易など実需に投資マネーを合わせると、およそ4000億ドルと推計されています。 つまり月間では8〜10兆ドルもの売買がある計算ですから、140億ドルの円高圧力というのはわずか0.1%程度に過ぎません。1ドル=100円とすれば、10銭あるかないかの影響力です。利払いだけでなく国債自体の償還もありますが、実際には買い換えされるケースが多いので、やはり確実に円高を誘導するほどの影響とはいえないでしょう。 7月は逆に円安傾向が強いそれにも関わらず、現実には8割の確率で円高が起こっています。実は本当の理由は、米国債の利払いを「材料」として、多くのトレーダーがその材料に乗ってドル売り=円買いの短期売買を行うからだと推測されます。短期売買は世間のトレンドに乗る「順張り」が基本で、逆張りはハイリスクなので敬遠されがちです。米国債の利払い自体は相場に大きく影響するほどの金額ではないが、その材料に乗ってトレードする投資家達が多い為、8月には超高確率で円高ドル安が誘発されてるのです。 ちなみに直前の7月は、逆に円安=ドル高になりやすく、09年までの過去10年では8割の確率で円安になっています。FXで為替トレードをする人は勿論、外国株へ投資する人も、この7月〜8月の為替レートの変動傾向は絶対に覚えておくべきです。
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