法人の金融
from マネーガイドJP
独立開業して自分の店を持ちたい、と考える事業主の人はえてして、いきなり店舗を借りて失敗するパターンが多いです。特に脱サラした人などは、早くビジネスを軌道に乗せようと焦り、採算の見込みが薄いのに借金してでも店を構えようとしがちです。
中小企業が倒産する原因で最も多いのが、無理な投資でコストを掛けすぎて、資金繰り破綻を起こすことです。起業直後は借金せずに、小さくても堅実に顧客を増やし、キャッシュフローがプラスで安定してから店舗展開を考える事が、倒産を避けるための最善の方法です。
「でも飲食業だと店舗を持つのは必須では?」などと反論する人も居るでしょう。しかしインターネットの発達により、飲食業を含めどんな業種だろうが、店舗を一部だけ間借りして、最小限のコストで自分の店を出店する方法も生まれてきています。
それが、世の中の空きスペースをレンタルできる「スペースシェア」と呼ばれるビジネスです。遊休スペースを有効活用したいオーナーと、自分の店舗を格安で出店したい事業主とを紹介・マッチングさせる訳です。
2015年秋現在、日本でスペースシェアビジネスを大規模展開している会社は「SPACEMARKET(スペースマーケット)」と「軒先.com」の2社が有名です。他にも空きスペース紹介ビジネスを行う会社はありましたが、スケールメリットで勝てなかったようで撤退・廃業が相次ぎ、上記2社の2強状態です。
例えば飲食業の場合、商業施設の駐車場が余っている、オフィスビルの前の空間が空いている、などのスペースへ屋台のような形式で出店すれば、低コストとされる「居抜き物件」を借りるよりも、更に大幅に安く済ませられます。あるいは、夜はバーとして運営されているお店が昼間は店舗が空いているので、15時までそのスペースを借りてランチを提供する飲食店を開く、なんて形態なども可能です。
最近流行りのヨガ教室だとかネイルサロン、マッサージ店などをショッピングモールや文化施設の通路スペースの一角で借りるとか、土日は定休日だという店舗を間借りする、など様々なパターンがあります。
このように、開業当初はスペースシェアを活用すれば、最小限のコストで店を構えられるので、借金で失敗するリスクを極限まで下げられます。このような空きスペースマッチングなどの最新のビジネストレンドは、税理士や経営コンサルタントも把握していない場合が多い(リッチなビジネスしか興味がないから)ので、彼らのアドバイスをあてにせず、スペースマーケットや軒先.comを使って、一度自分で出店先を探してみるべきでしょう。
地方はともかく、東京や大阪などの大都市では、自分の店を持つことは極めて高コストで敷居が高いです。親兄弟を連帯保証人にしたり自宅を担保に入れてまで銀行からローンして・・・なんてリスクの高い事を行う前に、まずは空きスペースレンタルから小さく事業を始めて見る方法を検討してみては?