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店内BGMの料金比較

日本で商業目的で作成された楽曲のおよそ95%は、ジャスラック(JASRAC=日本音楽著作権協会)が管理しているとの事です。ジャスラックは通称「カスラック」と揶揄されるほど、極めて厳しい取り締まりをしている事で知られており、公共の場で楽曲を利用する場合には細心の注意が必要です。

例えば、カフェや美容室などの店内でBGMを流す場合、自分が買ってきたCDを使用するとしても、ジャスラックに年間6000円の料金支払いが必要となります。お店でBGMを流す事は、音楽の個人利用ではなく営利目的と扱われるためです。

小さなお店なら、違反してもばれないだろうと思う人もいるでしょうが、ジャスラックはヤ○ザのみかじめ料的な、強引な取り立てを行う事もあるので注意すべきです。ただし、著作権は著作者の死後50年で消失するため、古い曲(クラシック音楽など)の場合はCDやレコードを無料で使用する事も可能です。

店内で最新音楽のBGMを流す場合、ジャスラックにお金を支払う以外にも、有線放送と契約する方法があります。有線放送とは、電話線などの有線ケーブルを利用した音楽配信サービスです。有線放送会社がJASRACと契約を結んで著作権料を支払っているため、ユーザーはJASRACにお金を払う必要は無いです。ただし、有線放送会社への月額料金が必要になります。

有線放送の代表格=USENは料金が高い

有線放送で最も有名なのはUSENです。最新のヒット曲から、洋楽、演歌、民謡など500チャンネル以上があって曲数が多いことが、最大のメリットです。USENの法人契約の料金は、店舗の広さなどによって多少変わりますが、概ね月額6000円程度です。

ただし、USENは解約時にトラブルが多発している点には注意が必要です。USENの契約期間は2年で、契約期間終了の1ヶ月前までに解約の手続きを行わないと、自動的に2年分の契約が延長される事になります。つまり、解約する場合は1年11ヶ月までに行っておかないと、更に2年分(およそ15万円)の料金がかかってしまうのです。

USENは株式上場企業であり、社員のノルマ等が厳しい事がこうした強欲な仕組みを生み出しているのかもしれません。

店内BGMとして使える主な有線放送の料金比較
  月額料金
(法人)
チャンネル数 楽曲ジャンル
USEN 約6000円 500以上 新旧問わず幅広いラインアップ
キャンシステム 約4500円 120+150 最新曲から懐かしの名曲までカバー
モンスターチャンネル 1880円 1300 大手レーベルの楽曲はほとんどなし
インターネット有線放送らくネット 690円 25 クラシックや環境BGMがメイン

USEN以外の店内BGMサービス

USENの対抗馬=キャンシステム

USENと並ぶ大手有線放送会社のキャンシステムは、有線放送に加え衛星放送も行っており、ケーブルの届かない地域でもサービスが受けられるという特徴があります。

ちなみに、毎年年末に行われている日本有線大賞は、このキャンシステムへのリクエストを元に決定されています。月額料金は4000〜5000円で、USENと比較して多少安めです。

その他格安のBGMサービス

他の有線放送会社としては、モンスターチャンネルがあります。チャンネル数が1300と豊富でありながら、月額料金が1880円と、USENと比較してずっと安いのがメリットです。また、初期費用が必要ないところもポイントです。

また、インターネット有線放送らくネットは、月額料金が690円と格安です。しかし、楽曲のラインアップはクラシックや環境BGMなどが中心で、最新のヒット曲などは聴けないというデメリットがあります。

店内BGMの料金比較まとめ
・店内でBGMを流すにはジャスラックか有線放送と契約する必要がある
・USENは月額6000円程度で多くの楽曲が聴ける
・キャンシステムやモンスターチャンネルはUSENと比較して料金が安いが、曲数やバリエーションは多くない

これら以外にも有線放送会社はいくつもあるので、色々と比較して検討するのが望ましいでしょう。

おまけ;無料で店内BGMを流す方法

なお、ジャスラックにも有線放送会社にも料金を支払わず、無料でお店のBGMを流す方法もあります。それは、テレビやラジオをそのまま流す事です。テレビもラジオも公衆放送されている物なので、著作権使用料はかかりません。昔ながらの定食屋などでよく行われている方法ですね。

ただし、放送を録音や録画して使用した場合は、著作権法の複製権に抵触する事になるので注意すべきです。流すならリアルタイムの放送そのままです。

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