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イベント保険とは、不特定多数の人が集まるイベントで発生した損害を補償する保険の事です(名称は保険会社によって異なる)。イベント保険の料金は、コンサートや花火大会やスポーツの試合など、その行事の内容や日数と参加人数が基準になりますが、各保険会社によって様々です。目安として全国社会福祉協議会の「ボランティア行事用保険」と、三井住友海上の「施設所(管理)有者賠償責任保険」の金額を挙げてみます。
全国社会福祉協議会「ボランティア行事用保険」の内容
ボランティア行事用保険の保険の料金は、イベント内容によって大きく3段階にわかれています。ハイキング・七夕祭り・クリスマス会といった怪我の危険性の少ないイベントがA1行事。運動会・キャンプファイヤー・サイクリングなどの若干のケガの危険性があるイベントがA2行事。硬式野球・サッカー・サーフィンのような激しい動きを伴うイベントがA3行事と定められています。
保険料は、A1行事の場合一日一人当たり28円、A2行事が126円、A3行事が248円となっています。なお、宿泊を伴うイベントの場合は、一日あたり300円前後です。
参加者本人が怪我をした場合に支払われる保険金の目安は、死亡時または後遺障害時が400万円、通院費用が一日2200円、入院費用が一日3000円、入院中の手術代金が35000円などが上限です。また賠償責任の補償としては、対人事故が一名・一事故につき2億円、対物事故が一事故につき1000万円まで、などとなっています。詳細は社会福祉協議会運営「ふくしの保険」公式HPへ。
三井住友海上のイベント保険の内容
別の例として、三井住友海上のイベント保険(施設所(管理)有者賠償責任保険)の場合も見てみます。こちらは2日間のイベントで料金が5670円、一事故あたりの施設破壊補償(対物保険)は5000万円までとなっています。これにはセット特約として、一事故あたり1000万円までの被害者治療費等補償(対人保険)も付いています⇒参考サイト(PDFファイル)。
このように、保険会社によって違いはありますが、対物保証だと概ね1日数千円、対人保証だと参加人数×100円前後、というのがイベント保険の相場なようです。これより高い料金を提示された場合は、ぼったくられている恐れがあるので、保険会社と交渉してみると値引きがあるかもしれません。
加入の際して注意すべき点としては、基本的にイベント保険の掛け金はイベント開催前に支払う必要がある事が挙げられます。イベントの内容によっては、事前に来場者から料金を徴収出来ないケースもありますので、その際は主催者が保険料を立て替えて前払いする必要が生じます。
しかし、そもそもイベント当日のバタバタしている状況で参加者とのお金のやりとりをすると、払った払わないといったトラブルも起きやすいので、お金の管理は出来る限り事前に済ませておく事が望ましいです。
他の注意点としては、中止や延期時の報告義務です。前述のボランティア行事用保険の場合、台風など何らかの要因で当日にイベントが開催が中止になった時、イベントを開催する予定だった日の翌営業日まで(原則としてはイベント前日まで)に、中止ないし延期の手続きを行わないと、保険料の返還が出来ない場合もある、と書かれています。
そして、万が一事故が起こった場合は、速やかに保険会社に連絡をする事が重要です。前述のボランティア行事用保険では、事故発生から30日以内に連絡が無ければ、保険金が支払われなくなる可能性があります。また、保険会社は事故の詳細な状況確認をしてからでなければ保険金の支払いをしてくれませんので、実際に保険金が支払われるまでには、ある程度の日数がかかる点にも注意が必要です。
大勢の人が集まった際は、どんな事故やトラブルが起きるか分かりません。多数のケガ人や死傷者が出てしまった場合は、1億円を超えるような膨大な損害になる可能性もあります。ですから営利イベントにせよボランティア活動だろうと、主催者が参加者の人数などの目安を勘案して料金を徴収し、イベント保険に加入しておく事は極めて重要になります。