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国民年金の前払いで節約!

国民年金保険料を前払いして節約する方法をご存知でしょうか?

これは、正式には年金の前納制度と言い、2014年4月から始まりました。本来毎月支払う国民年金保険料を、一定期間分まとめて前払い(最大2年)する事で、保険料が割引されるという仕組みです。

具体的には、半年の前払いだと1040円の節約となり、1年だと3840円、2年分の前払いだと1万4800円も安くなるのです。詳しくは後述しますが、国民年金保険料は絶対に滞納すべきではありませんし、前納できるだけのまとまったお金がある人には、大きな節約が可能となる極めてお得な制度です。

  • 半年の前払い 支払い総額=90,460円(1,040円の割引)
  • 1年分の前払い 支払い総額=179,160円(3,840円の割引)
  • 2年分の前払い 支払い総額=355,280円(14,800円の割引)

前払いの手続きは、インターネットが必要です。日本年金機構のHPで「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書兼国民年金保険料口座振替依頼書」をダウンロードし、必要事項を記入した上で、金融機関か年金事務所へ提出すればOKです。ただし、前納は毎年2月末日までに申請しておく必要があり、好きなタイミングで2年分前払い出来るという制度ではありません。

改めて説明すると、国民年金は日本の20歳以上60歳未満の全ての人に加入が義務付けられている保険制度です。サラリーマンの場合は、厚生年金に含まれていますが、自営業・フリーランスの場合は、自分で納める必要があります。

2014年度の国民年金保険料は、月額1万5250円です(毎年少しずつ値上げされます)。これを25年以上支払い続けていれば、65歳から亡くなるまで、月額約6万4000円(2014年時点の金額)が受け取れるのです。ただし、ケガや病気で障害者認定された場合は、65歳未満であっても国民年金を受け取れるようになります。

国民年金は保険機能があるうえ、免除制度もある

近年は少子高齢化が進み、また、若者の年金未納者が増加傾向にある事で、いずれ国民年金制度は破綻するという主張も見受けられます。例えば国民年金よりも生活保護の方が得だから、年金を支払う必要など無いという暴論です。

しかし、生活保護との逆ざやは、大きな社会問題なのでいずれ是正されるでしょう。しかも生活保護は申請しても通るかどうか分かりません。それに国民年金には傷害保険としての機能もついているので、絶対に掛けておいた方が得なのです。

もし、国民年金保険料を支払う余裕が無い場合は、免除の申請を行う事も出来ます(所得が一定以下、生活保護を受けているなどの条件があります)。免除が認められると、その期間中は納付したものとして扱われます。国民年金は25年以上保険料を支払わなければ1円ももらえません。ですから、お金を支払わないという意味では同じでも、未納と免除では天と地ほどの差が生まれるのです。前払いするほどの余裕が無くとも、毎月の国民年金保険料の未納は絶対に避けるべきです。

ところで、この前払い制度はどういった経緯で作られたのでしょうね?日本年金機構にしてみれば、徴収金が減る前納制度はむしろ年金財政の悪化に繋がりそうですが。かといって、節約になるとはいえ、これまで未納だった人が2年分とかまとめて払うようになるとも考えにくいですし、何の目的で作られたのか、ちょっと謎な制度です。


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