株式投資ガイドブック | from マネーガイドJP | |
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悪材料でも株価が上昇する理由株価は「好材料」が発表されると上昇し、逆に「悪材料」が公表されると暴落すると、一般的には捉えられていますよね。しかし四半期の決算発表が赤字になるなど、企業にとって悪材料が発表されているにも関わらず、株価は逆に上昇する場合があります。なぜ株価と決算の善し悪しは関連性が無いのでしょうか? 株価というのは長期的には企業の業績に連動して上下していきますが、短期的には「需給関係」によって左右されます。そして株価の需給は、市場参加者の思惑によって変動することがポイントです。具体的には、市場参加者の予想平均と現実とのギャップによって、株価は変動します。 例えば、ある企業の決算が大赤字になると、市場参加者の多くが予想しているとします。しかし実際の決算発表で、その企業の赤字幅が予想よりも遙かに小さかった場合、それは「悪材料」ではなく「好材料」といえるのです。赤字決算なのですから、絶対評価的にはマイナス材料に違いはないのですが、市場予想からみた相対評価としてはプラス材料になります。 つまり、ある企業に関するニュースは、それ自体だけで好材料か悪材料かは判断できず、市場がどれだけ好材料・悪材料を織り込み済みなのかが重要です。株価は、事前の市場関係者の予想と、実際の発表との相対的な差によって変わるのです。 市場参加者がどう予想しているかは、アナリスト予想の平均値(別名:市場コンセンサス)がそれに該当します。大手証券会社や、ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーら投資銀行では、企業の決算発表直前に業績がどうなるかという予想を出します。彼らアナリストの平均値と決算発表との乖離が、株価の上下に大きく関わってきます。 市場予想(コンセンサス)を調べる方法アナリスト予想(市場コンセンサス)は、ヤフーファイナンスやMSNマネーなど、主要な株式情報サイトの各銘柄ページに掲載されています。ヤフーファイナンスなら個別銘柄ページの下部に「決算・業績予想」というリンクがあり、MSNマネーでは個別銘柄ページの左メニューの下の方に「評価・予測」という蘭があり、ここで売上高や一株利益などアナリスト予想の平均値を調べられます。 ちなみに、アンケートによって個人投資家の予想の平均を出すサイトなどもありますが、嘘を答える人が多かったり、そもそも動く資金量が機関投資家よりも少ないので、これらは株価との関連性は全くありません。重要なのはあくまで、機関投資家の予想平均です。 また、PERやPBRなどが高い成長株(グロース株)は、そもそも好業績・好決算を続けることが前提だと市場は見ています。ですから少々の好決算を発表した所で、それらは既に株価に折り込み済みである可能性が高いのです。任天堂などは典型例ですが、業績が良くても株価が暴落し、少しでも業績が悪ければ株価はストップ安になったりします。 逆にPERやPBRが低い「バリュー銘柄」は、そもそも市場が好業績を期待していない会社なので、決算が少々悪い位では株価はあまり落ちませんし、少しでも良いニュースが出ると一気にストップ高連発になったりします。
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