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電力株投資の問題点

個人投資家の間で、派手さはないけれども根強い人気を誇るのが「電力株」への投資です。業績の変動が少ない上、変動する要素が読みやすいです。例えば原油価格高騰なら製造コストが増加、冷夏なら冷房需要減少で電力消費(=売上げ)が減少、というように素人でも簡単に予測できます。

そして何といっても最大の特長が、配当利回りが高めな上、減配リスクが非常に低いことです。例えば東京電力や関西電力などは、配当利回りは常に2〜3%程度はキープしていますから、現在の銀行などよりもお得感が高いです。リスクは極力避けたいが、でも銀行預金や個人向け国債の利回りは低すぎる・・・そんな考えから、長期で電力株を保有する人は少なくありません。

しかし筆者は、長期での電力株を保有することは余りお勧めしません。電力株には2つの大きな問題点を抱えているからです。

一つ目の問題は、将来の電力需要の先細りです。ご存じのように日本では少子高齢化が進んでおり、将来的に電力需要が増加するとは考えにくい経済情勢です。加えて昨今の省エネやエコブームも、電気消費量の減少要因です。

省エネ化やエコブームは逆風になる

皮肉な話ですが、世間の省エネ化が進めば進むほど、電力会社の売上げは減少し、業績は悪化するのです。つまり電力会社の業績というのは、省エネやエコといった世間の節電行動と「利益相反」の関係にある、悲しい業種なのです。

そしてもう一つの問題が、一定以上の利益率を達成できない規則があることです。電気料金は電力事業法という法律によって縛られており、製造原価(原油や石炭の価格、風車やダムの製造コストなど)に一定割合の利益を乗せて決定される仕組みです。この理由は、電気というのは国民生活に欠かせないライフラインであることに加え、関東圏なら東京電力・関西エリアでは関西電力というように、各会社が地域の電力需要を独占できるため、勝手に値上げをすれば国民生活に大きな支障をきたすからです。

しかし逆に言うと、勝手に高い利益率を保つような料金制度にすることは出来ず、利益を増やすには売上げ・・・つまり電力消費量が増やすしかありません。しかし上記のように、少子化や省エネ化によって電力需要は減少圧力の方が強いため、増益することは極めて難しい情勢です。

確かに極端な減益→減配となるリスクは少ない業種ではありますが、将来を見据えた長期投資の対象としては、成長余力がほとんど無い為に、極めて魅力の低い業種だと判断できます。配当利回りが高いからという安易な発想で、電力株に投資するのは得策とはいえません。


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