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人民元建ての預金を行う方法

日本の預金金利の低さに辟易とした人が多いのか、近年外貨預金の需要が増えているそうです。しかし外貨預金には、為替変動のリスクがつきまといます。満期時のレートが申し込んだときより円安ならば「為替差益」になりますが、もし円高にふれていれば「為替差損」が生じ、場合によっては高い利息が吹っ飛ぶほど損をする恐れもあります。つまり外貨預金は、将来円安に進むと予測できる通貨がベストということになります。

そこで注目したいのが、中国の通貨である「人民元」の預金です。知っている人も多いでしょうが、人民元は実需を反映した為替レートにはなっておらず、実際よりも大幅に元安なレートになっています。これは中国政府が、輸出で儲けている自国の利益になるよう、ドル買い=人民元売りの為替介入をしているためです。

しかし、現在は割安に押さえられている人民元が、将来的にはじりじりと切り上げられていくことは、ほぼ間違いない情勢です。実際には2005年より人民元は固定相場から徐々に切り上げが始まり、1ドル=8.3元から2009年には6.8元と、4年で約18%ほど切り上がってきています(年率で約4.2%の上昇)。

元がドルに対して切り上がることは、同時に日本円に対しても切り上がることを意味します。つまり、人民元立てで定期預金すれば、日本よりも高い利息を得られるだけでなく、将来(ほぼ)確実な円安=人民元高による為替差益も得られることになります。

中国政府の政策は緩やかな切り上げ?

おそらく中国政府は、現在の年率4%程度のペースで切り上げを容認し、やがて必要となる変動相場制へソフトランディングで移行させたいのでしょう。2009年11月現在1人民元=約12.6円ですから、このペースだと10年後には人民元は約50%切り上がり、1人民元=19円前後になると予測できます。中国政府の政策が後押ししている限り、この傾向は続いていくはずです。

筆者の調べた所、人民元の定期預金では3〜5年ものの定期で利息は3%台が平均といった所です。しかしこれは2009年前半のデータであり、将来的には景気拡大により利上げが行われるでしょうから、定期預金の利息も5%以上に上昇していくと考えられます。人民元預金は、高い利息と元の切り上げにより、年率8〜10%程度という、株式投資にも負けないほどの高い利回りが期待できる計算です。

問題は、日本の大手金融機関では、人民元建ての預金は取り扱っていないことです。人民元の定期預金を行うには、実際に中国本土か香港に行って現地の金融機関で口座を開設するか、インターネットにある人民元預金代行サービスを利用するかになります。業者は沢山ありますし、手数料やサービスも様々なので、各業者のサイトを見て比較してみて下さい。


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