マネーガイドJP〜税金と節税 from マネーガイドJP

LLPでも確定申告作業は必要

2005年の法改正で、日本でもLLP(有限責任事業組合)の設立が可能になりました。株式会社のような「有限責任制」を活用できる上、設立も簡単で、パススルー課税が認められるなどのメリットから、一部の人達の間では人気を集めています。

LLPはパススルー課税といって、法人としては課税せず、構成員の各個人が納税するだけで済みます。株式会社の場合、会社に法人税が掛けられた後に構成員(株主)へ配当金され、更にその配当金に課税させるという「2重課税」となります。パススルー課税の場合は、2重課税を避けられるので、納税額が少なくて済みます。

またパススルー課税では、LLPでの損失と、各構成員の収入(別の事業や給与所得)とを損益通算することも可能です。事業開始年度は、何かと経費が掛かるので、赤字になることも多いはずです。すると、自ら確定申告をするフリーランス・個人事業主の構成員にとっては、損益通算で節税することも可能になるので、非常に都合が良い制度です。

しかし、LLPにも隠れたデメリットがあります。実はパススルー課税ではあっても、LLP自体も確定申告に相当する作業〜つまりBS(損益計算書)やPL(損益計算書)を作成する必要があるのです。

損益計算書や貸借対照表は作成せねばならない

LLPでは「有限責任事業組合等に係る組合員所得に関する計算書」というのを、決算期の翌年の1月末までに提出する必要があります。これに加えて、支払調書の合計票を添付して、該当税務署へ提出します。

またLLPには、財務諸表を作成する義務もあります。事業年度毎に、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)、その付属明細書を作成し、組合の主たる事業所に備え置く必要があります。そしてPLやBS等の書類は、事業所に10年間保存しておく義務もあります(会社法第435条及び第432条)。こちらは、確定申告として税務署へ提出する必要はありませんが、決算書を作成して保存しておくことは「義務」とされていますから、LLP自体の決算作業も必要なのです。

正規の簿記の原則に従って財務諸表を作ることは、株式会社と同じです。LLPと株式会社との決算の違いは、税務署への提出が不要なことと、公告の義務が無い点だけです。つまりLLPは、決して運営管理が不要な訳では無く、決算期には様々な作業が必要になるのです。実際に設立してからこのことに気付き、決算前に慌てる人も多いそうです。

LLPといえば、有限責任やパススルー課税などのメリットばかりが強調されがちです。しかし、細部は違えど結局は株式会社と同等の決算作業が必要になるという、LLPのデメリットも把握しておくべきです。


  マネーガイドJP (C)2014.rh-guide . All rights reserved.