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確定申告の無料相談会に行ってはいけない

小さなお店を経営している人やフリーランスなど、個人事業主の悩みの一つが確定申告です。「どのように申告書を書いたらよいのか」に始まり「自宅が事務所だけど家賃を経費に出来るか?」とか「接待ゴルフは福利厚生費?それとも経費にできない?」などと、疑問は多くあるでしょう。税理士を通して確定申告しているなら節税策に問題はありませんが、自分で行う(税理士に頼むお金がない)場合には正しいのがどうか判断できませんよね。

そこで注意したいのが、確定申告の無料相談会という奴です。「帳簿付けや申告書の書き方と行った基本的な事でも相談OK!」などと言われると、つい相談会に行けば問題解決できると思いがちです。しかし、結論から言うと確定申告の無料相談会には行ってはいけないです。

厳密に言うと、行ってはいけない相談会と、行っても大丈夫な相談会の二種類が混在しています。その見分け方は、相談会を主宰する団体です。税理士会や市町村が行う相談会は基本的にOKですが、危険なのが税務署が行っている相談会です。

「税務署が言うことなら絶対正しいから、一番問題ないのじゃない?」と思う人は、事業主としては考えが甘すぎます。よく考えてみて下さい。税務署というのは税金を取り立てる側の人間です。彼らの言う通りに確定申告書を作れば、より沢山の税金を払わされるような申告書になると思いませんか?

他のページでも散々書いてきましたが、税務署というのは一円でも多く税金を取り立てるのが仕事であり、職員は徴税ノルマを追わされています。率直に言うと、税務署は我々納税者と利害が対立する「敵」なのです!

そんな敵である税務署が「無料」で主催している相談会です。申告書は完成しても、我々に圧倒的に不利(税金を多く支払わされる)にしか仕上がりません。

節税策を尋ねても、イチャモンを付けられて否定されるのがオチです。事業用に使っている車でも「自家用車として買ってますよね?」と経費参入の割合を減らされたり、接待ゴルフを「私的な遊びでしょ?」と完全否認されたり等と、とにかく税務署は、こちらの経費参入を少なくしようと指摘してきます。

と言うことで、税務署主催の確定申告の無料相談会に来る人間は、彼らにしてみれば「ネギを背負った鴨」のような存在です。絶対に行ってはいけないのです。

税務署は納税者に有利な節税策は教えない

確定申告の重要な概念として、節税と脱税の境界線のページで述べたように、どの項目が経費になるのかという明確な線引きは、実は存在しません。確定申告は「申告納税制度」であり、納める人の自己申告がベースなので、自分で理由付けできる事ならば、何でも経費にして構わないのです。

自家用車でも事業用途ばかりに使っているなら100%経費参入できますし、友人とのゴルフでも商談が絡むのであれば接待交際費にできます。その申告内容に対して間違いや疑問点があれば、税務署側が修正申告の指摘や税務調査と行ったアクションを取る必要がある・・・となっているのです。

故に、申告後に自家用車や接待ゴルフが否認されるかもしれませんが、とりあえず経費参入して申告すれば良いのです。それが申告納税制度の理念ですから。

ということで、税務署主催の無料相談会は論外なのですが、もう一方の税理士が行う無料相談会なら、経費参入のアドバイスも納税者にプラスになる方向で教えてくれます。但し彼らも、所詮は顧客ではなく無料相談会での指導なので、申告書に責任を持ってくれる訳ではありません。「経費に出来ると思いますよ」程度の教え方しかしてくれません。なお市町村や商工会議所主催の相談会も、ほとんどの場合、指導してくれるのは税理士です。

■確定申告の無料相談会まとめ
・税務署主催の相談会;納税者に有利になる情報・節税策は教えない!
・税理士主宰の相談会;納税者に有利なアドバイスをくれる

税務署の無料相談会は、確定申告が迫る年明け1月頃から激増します。街中の案内ポスターには「お気軽にご相談を」などの誘い文句が書かれますが、完全に獲物を捕獲するための「蟻地獄」なので、絶対に行かないように注意しましょう。


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