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タックスヘイブン(租税回避地)とは?

タックスヘイブンとは、外国の企業や富裕層の資本流入を目的に、税金を無税または極端に低くしている国や地域のことです。別名「オフショア」などとも呼ばれます。

タックスヘイブン政策を行っている国・地域は、ヨーロッパではルクセンブルグやアイルランドの他に、F1グランプリの開催地として有名なモナコ公国やサンマリノ共和国などが挙げられます。カリブ海地域のバミューダ諸島やケイマン諸島、中近東ではドバイ(アラブ首長国連邦)やバーレーン、アジアでは香港やマカオやシンガポールなどもタックスヘイブンです。

何故税収を捨ててまで企業や富裕層を誘致するのかというと、タックスヘイブン政策を取る国や地域は、そのほとんどが小国で、自国の産業が何もない貧しい国です。人やカネが自由に行き来するグローバル経済下では、そんな国はまともに運営していても埋没するだけです。そこで、税金をあきらめることで外国企業や大富豪達を集めて、副次的に国土を潤そうと考えた訳です。

しかし現在では、背水の陣と思われていたこの政策は、想像以上の大成功を収めています。大富豪達が移住したり別荘を持ったりしたことで、モナコは世界有数の富裕国家に生まれ変わりました。世界最大の製鉄会社・アルセロールミタルはインド生まれの企業ですが、税率が低いということでルクセンブルグに本籍地を移しました。アイルランドは競馬産業への税率を抑えたことで、イギリスやフランスの大馬主が同国へ馬産地を移しました。

また、世界の金融市場に大きな影響を与えているヘッジファンドは、その多くがタックスヘイブンであるケイマン諸島に籍を置いています。アジアのヘッジファンドは、やはり税率が低い香港やシンガポールを拠点にするケースが多く、あの村上ファンドがシンガポールへ移したことは記憶に新しいです。⇒タックスヘイブンで節税する方法

税金は入らなくとも国土は潤う

これらの国では、税収は少なくとも企業や富裕層が来ることで高額な消費が生まれるうえ、地域の雇用も創出します。元々何も持っていなかった小国にとっては、十分すぎる恩恵だといえます。

しかしタックスヘイブン国家は、先進国にとっては富裕層や大企業を奪われる、やっかいな存在です。タックスヘイブンへの資本流出を避ける為には、先進国も所得税の最高税率や法人税率を下げざるを得ませんが、その為には一般庶民への増税が避けられません。

タックスヘイブンは先進国にとっては「有害税制」であり、何とか潰したいというのが本音ですが、小国側がこれを止めることは破滅を意味しますので、絶対に止めないでしょう。結局は、タックスヘイブン諸国に対して先進国側が手厚い経済援助を行うなど、彼らが生き残っていける術を交換条件に出さない限り、この有害税制は永遠に無くならないでしょう。


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