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銀行カードローンは消費者金融よりも審査が甘い?

無担保で保証人も無しでお金を借りれる方法として、大きく分けて、消費者金融のキャッシングと、銀行のカードローンの二種類があります。そして多くの人が、消費者金融の方が審査が甘い、銀行のカードローンでは借りにくい・・・というイメージを持っているかと思います。

しかし現実はそうとも限らないのです。むしろ人によっては、カードローンの方が借り入れ審査が通りやすい、というケースも少なくないのです。

消費者金融よりも銀行系のカードローンの方が、審査が甘い理由の一つ目は、総量規制があることです。2010年6月に貸金業法が改正され、消費者金融のキャッシングには「年収の3分の1を超える借り入れは認めない」という通称・総量規制が導入されました。つまり、消費者金融では一社からだろうが複数の会社から借り入れようが、合計金額が年収の3分の1以下までしか借りられず、既に上限に達している人やそれに近いような人は、キャッシングの審査が通らないのです。

しかしこの総量規制には盲点があり、対象となるのが消費者金融など所謂ノンバンクからの借り入れのみで、銀行からの借金は法律の対象外なのです。つまり、銀行カードローンの金額は総量規制には入らないのです。ですから、消費者金融の審査では落ちても、銀行のカードローンでは通る事もありえるのです。

カードローンの方が審査が甘いもう一つの理由として、運営会社の経営状態の差があります。消費者金融各社は、上記の貸金業法の改正により大きなダメージを被り、経営危機に陥りました。総量規制に加えて、グレーゾーン金利が撤廃され、それまで消費者金融各社が行っていた20%以上の金利での貸付が違法と認定されました。各社は借り手からの過払い金返還請求に追われ、経営が急速に悪化。武富士は経営破綻し、プロミスは三井住友、アコムはUFJに子会社としてそれぞれ買収され、以後も厳しい状況が続いています。過払い金で経営が厳しい分、消費者金融各社は負債減少の為に貸出を減らし、審査は大幅に厳しくなりました。

一方で銀行の経営状況は、リーマンショック以降も国債の鞘抜き売買で好調でしたが、今度は日本国債の破綻リスクが大幅に高まっており、これ以上の鞘抜きで儲けるのは難しくなりました。従ってメガバンクも地銀も、リテールビジネスでの収益増加が不可欠となり、消費者金融の没落の隙を突くように各社ともカードローン事業に力を入れるようになりました。有名な武富士のダンサーCMが途絶えた一方で、木村佳乃の三井住友銀行、阿部寛と戸田恵梨香の三菱東京UFJ銀行、これらのカードローンのテレビCMがガンガン流れるようになった事は、皆さんご記憶でしょう。

カードローンは銀行にとって利益率が高い

つまり、近年の銀行はカードローンで収益を上げるのに躍起になっており、利用者の拡大を目論んでいます。従って審査もかなり甘い状況で、クレジット履歴がよほど悪い人でない限り、カードローンで借り入れやすい状況なのです。その銀行に口座を開いていて頻繁に利用している(振り込みや公共料金の引き落としなど)なら、更に審査は通りやすいと言われています。

リーマンショック以降、国内の金利は下がり続けており、リテールビジネスの主力だった住宅ローンの金利も、変動金利タイプが2014年には1%を切るまで下落しています。上限金利が20%になった現在でも、カードローンは銀行にとっては利益率が高い美味しいビジネスです。ゆえに審査が甘くて貸し倒れが少々増えても、どんどんカードローンの利用を促進させて、物量作戦で儲けるスタンスなのです。

このような理由から、消費者金融で借りるよりも、メインバンクにしている銀行でカードローンを申し込んだ方が、かえって審査が通りやすい場合もあるのです。金融業界の裏側は実に複雑ですから、素人が直感だけで「消費者金融の方が審査が甘いはずだ」と思い込むのは危険ですよ。


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