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ノンリコースローンとは?

ノンリコースローンとは、その借金の返済を資産の原価の範囲に限定した融資方法のこと。かの悪名高きアメリカの「サブプライムローン」も、実はこの形態です。

具体的にいうと、例えば住宅購入で3000万円のローンを組んだ場合、たとえ債務者が返済不能になった場合でも、住宅を売却すればローンの返済義務はそれで終了します。仮にその住宅の価値が1500万円に半減していたとしても、債務者には差額を返済する必要はありません。ローン残高や金利が幾らであろうと、物件を手放せばそれでチャラになる訳です。

日本の住宅ローンの場合、住宅を売却しても返済金額が残る場合、債務者がその差額を返済し続けなければいけません。ノンリコースローンでは住宅の価値だけを担保として融資する形態なのに対して、日本では住宅自体ではなく「購入する人」を対象に融資します。

つまりノンリコースローンでは、不動産の売却損は借り手ではなく、融資する金融機関が負担する形になります。そこで金融機関がリスクを軽減する方法として編み出されたのが、サブプライムローンです。不動産購入者が返済不能になって住宅の売却損を抱えるリスクを「証券化」という方法で細分化して、投資家サイドに分からないように各種ファンドに組み込んで、世界中にばらまいたのです。

サブプライム問題では、アメリカの低所得者が分不相応な豪邸を購入したことで、彼らの生活苦が報道されていました。しかし彼らは、住宅を売り払えばそれ以上の負担は背負わないので、実は日本の住宅ローン債務者よりもずっと気楽な立場なのです。借り手からすれば、日本の住宅ローンはあのサブプライムよりも割りの悪い形態なのです。

金利が高いデメリットを差し引いても・・・

近年では、日本でもノンリコースローンが組まれるケースが出てきました。しかし上記で説明したように、住宅の売却損を金融機関側が負う為に、金利は通常の住宅ローンにリスクプレミアム分が上乗せされて割高に設定されています。また現状では、通常の自宅用物件の購入ではなく、商業用不動産向けの貸し出しに限定されているという制約もあります。

金融機関側にとってみれば、リスクは全て自分たちが背負うデメリットがある為、物件の資産査定や将来の収益性など、より詳細な調査をする必要性が生じます。しかしそれ以上に、高い金利を設定できる魅力が大きいのでしょう。

サラリーマン大家など不動産投資を営む側にとっても、利息が高いというデメリットがあっても「物件を売却すればチャラになる」というメリットははかり知れません。これからの不動産投資家は、リスクヘッジの手段としてノンリコースローンを一考する必要がありそうです。


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