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法人(株式会社)でも有限責任では無い日本では「法人成り」は個人事業よりも有利と言われていますが、その理由は節税手段が豊富なことと、有限責任であることです。 個人事業主は基本的に無限責任なので、ビジネス上の損害に関しては、個人の私財を投げ打ってでも保証しなければなりません。ところが株式会社や有限会社は、株主(小規模会社の場合はイコール社長)に責任を負わせられるのは基本的に資本金の範囲までとなり、個人資産には影響ありません。 このような法人の特権があるからこそ、事業主はリスクを取ることが出来、借金してでも事業を拡大しようというバイアスが働きます。今日の資本主義経済の拡大には、間違いなく法人の有限責任が大きな役割を果たしてきたと言えます。 但し上記のような法人の特権は、あくまでもビジネス上の損害などに関する話であって、借り入れ金の返済に関しては話が変わってきます。特に中小企業の場合は、借り入れを行う際は、必ず社長が連帯保障人にさせられます。融資の金額が大きい場合は、社長の自宅を抵当に入れるよう求められることもあります。これは有限会社でも株式会社でも、また銀行の融資だろうが無担保をうたう商工ローンだろうが、ほぼ変わることのない事実です。 そして会社が資金繰りに困った場合は、追加融資云々の前にまず、社長が生命保険を解約するなど私的財産を処分して補填することを求められます。借り入れを行っている中小企業が潰れた場合は、社長もほぼ全ての私財を失うことになりますので、会社の倒産は社長が自己破産することとほぼ同義語なのです。つまり、株式会社など法人が有限責任だという理屈は、社長が連帯保証人に成らさせられる中小企業には通用しないのです。 日本は破産によるビジネスの撤退がしやすい?ちなみに、世界銀行が世界181カ国のビジネス環境をランク付けした調査では、日本は2009年度で12位でしたが、『破産によるビジネスの撤退』という項目では世界1位だそうです。起業して駄目だった場合は責任を負わずに簡単に撤退できるということなのでしょうが、この調査もおそらくは大企業だけが対象なのでしょう。 でなければ、ベンチャービジネスの起業率が先進国で最低水準であることと、全く整合性が取れません。日本で有限責任の特権をフル活用できるのはあくまで大企業だけであり、中小企業は(一旦借り入れすれば)社長の無限責任に等しくなるからこそ、起業率が低いのでは?
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