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グロソブ(毎月分配型投信)の問題点皆さんは日本で一番売れている投資信託をご存じでしょうか? 正解は、国際投信投資顧問が運営する「グロソブ(グローバル・ソブリン・オープン)」で、資産残高は約4兆円にものぼります!グロソブは主に外貨建ての債券に分散投資するファンドで、ユーロや米ドルなど先進国の国債が中心となっています。 グロソブの現在の基準価格は約6000円で、毎月35円の分配金が支払われています。このような形態を「毎月分配型投信」といい、安定的にインカムゲインを得られるということで、爆発的な人気を得ています。 しかしグロソブには大きな問題点があり、決して有利な投信ではありません。グロソブの信託報酬(毎年引かれるコスト)は約1.31%ですが、同じ海外債券ファンドでもインデックス投信型の「住信−STAMグローバル債券インデックス」や「三菱UFJ−eMAXIS先進国債券インデックス」などの信託報酬は0.6%台と半額程度です。長期投資する際には、毎年確実に掛かるコストである信託報酬が低いファンドを選ぶのが確実に有利な選択であり、グロソブは海外債券型ファンドでも非常に高コストで不利な部類だといえます。 そもそも毎月分配型投信というのは、非常に不利な形態です。理由は分配金を出す際には、10%の税金が引かれるからです。分配金を出さずに、その分を投信内部で再投資運用すれば、複利効果が働いて毎月分配するよりも利回りが高くなります。分配金というのは所詮、ファンドの資産の一部を取り崩して投資家に還元しているに過ぎず、分配を出せばその分(ファンドの資産である)基準価格が下がるのです。 グロソブが売れている理由ではなぜ、グロソブのような問題点のある投信が日本では売れているのでしょうか?その理由は、日本では投資家の多くが高齢者であり、元本をそのままに安定的に毎月分配金が得られることは、年金生活を送る高齢者にとっては魅力的に写るからです。 そしてもう一つの理由は、グロソブはコストが高い分、販売会社(銀行や証券会社)の利益も大きく旨みがあるので、彼らが最も販促活動に力を入れるファンドだからです。 現代ポートフォリオ理論からいえば、高齢者だけでなく若い世代でも、リスク分散として債券投資する意味はあります。特に外債ファンドは、個別の外貨建て債券に投資するよりも、少ない金額でより多くの国に分散できるので、初心者にはお勧めの方法です。 しかし債券ファンドに投資するなら、信託報酬の低いファンドの方が得ですし、分配金を出す回数が極力少ないファンドを選ぶ方が有利です。そういう意味でも、高コストで毎月分配金を出すグロソブよりも、低コストかつ分配回数が年1〜2回の住信STAMや三菱eMAXISに投資する方が、理論的には圧倒的に有利となります。
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