株式投資ガイドブック from マネーガイドJP

銀行預金は絶対に安全な訳ではない!

日本では、株式投資はギャンブルで危険な存在だと誤認されている一方で、郵便貯金や銀行預金は絶対安全だと盲信されています。日本人は世界一の預金・貯金好きの国民です。家計の金融資産に占める預貯金の割合は、先進国の中でも群を抜いて高いです。

しかし預貯金は決して安全な金融資産ではありません。別に銀行が潰れたら1000万円しか保証されない・・・という話ではありません。銀行の破綻リスク以外にも、預貯金には大きな欠陥が存在するのです。

それは「インフレリスク」です。インフレ=物価上昇が起こるというのは、通貨の価値が下落することと同じ意味です。1000円で買えていたお米が1500円に値上がりすることは、1000円札の価値が2/3に目減りしたことになりますよね。1000円を預金していれば、確かに額面上の元本割れは起こしませんが、物価が1.5倍になっていたら事実上は元本割れしていることになります。

そしてインフレに対して最も脆弱な資産が、預貯金、特に定期預金になります。預貯金と並ぶ三大資産の「株式」や「土地」は、インフレが起こればそれに連れて価格が上昇していきますが、定期預金の金利は増えることはありません(加入時の金利が満期まで永遠に続く)。また普通預金の金利はインフレ率よりも低いのが常ですから、やはり物価上昇に負けてしまいます。

預金金利はインフレで目減りする

特に2010年現在の日本では、定期預金の金利も0.2〜3%とゼロに近い状態です。そんな状況で5年や10年といった長期の定期預金に入ってしまえば、今後わずかなインフレが起こっただけでも、資産は事実上目減りすることになります。定期預金や長期国債のような固定金利の金融商品は、現在のような超低金利の時期に購入することは、最低最悪の行為なのです。

日本では今後、徐々にインフレになっていく可能性は極めて高いと思われます。デフレは経済にとって好ましくない状況なので、政府は必ずデフレを止めようとします。特に日本は、政府の借金が対GDP比2倍という世界最悪の水準にあるので、インフレを起こして借金の負担を減らすしかないのが現実です。現実に、例えばアメリカは戦後ずっと意図的にインフレを起こしており、国家の借金負担を減らしてきた歴史があります。

つまり今、銀行や郵便局の定期預金に入れば、将来高確率で起こるインフレによって、実質的には損する危険性が十分にあるということです。日本人は長年のデフレぼけで、インフレリスクというものを完全に忘れてしまっています。預貯金は絶対安全な資産などではなく、株式や不動産などと同様に、損をするリスクを抱えた金融商品だということを理解しておくべきです。

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