特集〜大阪府「買うたろう商品券」 from マネーガイドJP

 

大阪府「ぎょうさん買うたろう商品券」まとめ

■買うたろう商品券とは?

大阪府が期間限定で販売した、大阪府下の賛同店舗で利用可能な地域振興券の一種。一冊1万円で購入でき、1500円分のクーポンが付いて11500円分の買い物ができる。大阪府の橋本知事の肝入りで?作られた「大阪まるごと大売出しキャンペーン事業事務局」が運営母体。

■買うたろう商品券の狙いは?

大阪府の景気対策、特に小売業の2.8枯れ(2月と8月は売上げが伸びない)対策が狙い。

■実際の経済効果は?

合計70万冊(70億円分)が販売されたので、総利用額は80億5千万円となる(期限切れなしと換算)。
しかし実際にはスーパーなどで日用品の購入に利用された分も多く、その場合は単なる店舗の割引販売に過ぎず、マイナスの経済効果を生んでいる部分も少なくないと思われる。しかしスーパーではそれすら見込んで、値引きを通常より抑えていると思われる店舗も・・・?
詳しくは「阪神タイガース優勝の経済効果」などで関西ではお馴染みの大阪府立大学・宮本勝浩教授の算出を待つべし(^_^;)

■主な仕様

・利用可能期間;2010年2月17日〜3月11日まで

・販売単位;一冊1万円(1150円の券×10枚綴り、計11500円分の買い物が出来る)

・利用の際にお釣りは出ない。

・勝手に冊子から切り離した場合は無効となる。必ず、購入時に店舗レジで必要分を切り離してもらう

・利用制限;同キャンペーンに賛同したお店でのみ利用可能

・対象外商品;利用可能店舗でも、以下に該当する商品・サービスの支払いには使えない

(1)出資や債務の支払い(税金、振り込み代金、振り込み手数料、電気・ガス・水道料金など)
(2)有価証券、商品券、ビール券、図書券、通常はがき、切手、印紙、プリペイドカードなどの換金性の高いもの
(3)事業活動に伴って使用する原材料、機器類及び仕入商品等
(4)土地・家屋購入、家賃・地代・駐車料(一時預りを除く)などの不動産に関わる支払い
(5)現金と換金、金融機関への預け入れ
(6)風俗営業などの規制及び義務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条に規定する営業に係る支払い
(7)特定の宗教・政治団体と関わるものや公序良俗に反するもの
(8)ごみ処理を有料化している市町村において、ごみ袋の代金が市町村の手数料に充当されている場合のごみ袋
(9)たばこ

 

■クーポンの仕組みは?

1500円分のクーポンは、500円が大阪府負担で、1000円が実際に購入された店舗の負担となる。

■主な販売店舗

JTB各店舗や大半の大手スーパーで販売。家電量販店ではジョーシンのみ販売。

■利用可能店舗

・JTB

・家電量販店;ジョーシン、ミドリ電化、ケーズデンキ、ビックカメラ

・大手コンビニ;ローソン、セブンイレブン

・大手スーパー;サティ、オークワ、万代、関西スーパー、ジャスコ、ライフ、イトーヨーカドー、イズミヤ、アリオ、など

・百貨店;近鉄百貨店、高島屋、阪急百貨店、阪神百貨店、大丸、など

・ホテル宿泊;リーガロイヤルホテル、帝国ホテル、大阪新阪急ホテル、阪急阪神ホテルズ、など

・飲食店チェーン;デニーズ、がんこ、フレンドリー、など

・その他チェーン店;コーナン、天牛堺書店、メガネの三城、ソフトバンクショップ、ドコモショップ、など

*チェーン店舗でも使える店舗と使えない店舗があるケースも・・・。

■問題、課題

・当初の5日間(17〜21日)では捌ききれず、追加販売を余儀なくされた。準備した70万部のうち18万冊が売れ残り。主要スーパーで販売期限が延長されたり、大阪の一等地である第四ビル前に臨時販売会場が設けられる(25〜26日)など、在庫処理に追われる。

また処分のために「一人一冊」「大阪府在住者のみ」という本来のルールが変わり、「何冊でもOK」「大阪以外の人でもOK」となるなど、迷走することになった。

結局、当初より2週間近く過ぎた3月5日になってようやく全70万冊が完売となった。原因は主幹事会社のJTBで大量に売れ残りが発生したためとみられる。スーパーでは開店前に長蛇の行列が出来、並んでも購入できない人達も出ていた一方、JTBでは当初から「並ばずに買えた」「一人で何冊も買えた」との報告が多数あった。

また告知が不十分だったことも否めない。関西ローカルの昼のワイドショーでは散々登場したようだが、新聞や夜のニュース番組など全国メディアでの扱いが少なく、一般のサラリーマンやOLなどは、存在自体を知らなかった人も多い(筆者も販売開始後にTwitterで知った位だし)。

スーパーなどでは開店前に長蛇の行列ができていたとの報告多数。 しかし、スーパーで日用品の購入に使われても経済効果はほとんどなく、店舗の負担が増えるだけ。家電など非日用品であれば、需要先喰いであろうともある程度の経済効果は見込めたのだが。

■店舗毎の対応
仕組み的・金額的に最も需要が見込まれたであろう家電量販店では、店舗毎の対応が大きく分かれた。関西に地盤があるミドリ電化やジョーシンでは利用可能だが、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機、ソフマップなど関東資本の家電量販店では利用不可。唯一ビックカメラのみは利用可能。

■金券・商品券など換金性の高い物品については、予め購入対象外とされていた(転売対策)。しかしたばこが対象外になったのは販売開始後。準備不足は否めない。

■大手百貨店でも利用可能とうたっていたが、実際にはブランド品や食料品、修理など大半の商品・サービスが対象外となり、利用価値はほぼ無い状態だった。

■実施期間が短すぎる。せめて年度末である3月末まではやるべき。

結局は企画→実施までの準備期間が短く、広報等を練られる時間がなかった。

 

 

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