特集〜風邪薬の成分比較表 from マネーガイドJP

市販の風邪薬の成分比較表

市販の風邪薬にはパブロン・イブ・エスタックなどが有名ですが、各ブランド毎に一般タイプのものと、値段は高いが成分が強化されているタイプ、の2種類が販売されています。しかし各ブランド毎に、主要成分やその配合量などが異なり、どれを買うのがベストなのかは一般人には見分けられないのが問題ですね。

風邪の症状が、熱なのか鼻水鼻づまりなのか等、大まかな分類はされています。しかし同じように熱や喉の痛みに効くとの分類でも、パブロンとルルではどちらが良いのか?等と、薬局の売り場で困ってしまう人は多いと思います。そもそも同じ解熱タイプでも、各社で成分が違う場合には、どちらがよく効くのかは分からないですよね。薬剤師に聞くのも一つですが、実は違いをよく分かっていない人も居ますし、単に高価なものを勧めてくるだけの場合もあるので、全幅の信頼をおく訳にはいきません。

そこで当コーナーでは、パブロン・ルル・エスタック・ベンザブロック・コルゲンコーワという有名風邪薬ブランドの高価版(EXとかプラスとか付くバージョン)に絞り、各社の成分比較表を作りました。そして、解熱鎮痛・鼻水鼻づまり・咳たん・という各症状にベストな風邪薬を選んでみました。

市販の風邪薬の成分比較表
  解熱・頭や喉の鎮痛 鼻水・鼻づまり・くしゃみ 咳・たん その他 価格
パブロンエースAX
1回3錠/1日3回
36錠:1374円
1日分:344円
ルルアタックEX
1回2錠/1日3回
24錠:2160円
1日分:540円
ルルアタックFX
1回3錠/1日3回
36錠:2160円
1日分:540円
エスタックイブEX
1回2錠/1日3回
24錠:2138円
1日分:535円
ベンザブロックSプラス
1回2錠/1日3回
30錠:1922円
1日分:384円
ベンザブロックLプラス
1回2錠/1日3回
30錠:2570円
1日分:514円
ベンザブロックIPプラス
1回2錠/1日3回
30錠:2570円
1日分:514円
コルゲンコーワIB錠TX
1回3錠/1日3回
45錠:2268円
1日分:454円

※成分は1日あたりの分量(単位mg)。価格はAmazon販売価格(パブロンエースAXのみメーカー希望小売価格)。
※表記省略=デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物

 

★解熱・頭痛や喉の鎮痛
イブプロフェンは下熱や鎮痛効果が高く、炎症を伴う痛みにも有効です(アセトアミノフェンは炎症に対する効き目がほぼ無い)。一方のアセトアミノフェンは、古くから使用されてきた成分なので、臨床データが豊富で高い安全性が立証されているうえに、胃に対する負担も少なく済む点がメリット。ゆえに、高い解熱・鎮痛効果を期待するならイブプロフェン一択だが、高齢者や子供など安全性を重視したければアセトアミノフェンを選択するのも一考です。
上記の中では、最も成分的に優れているコルゲンコーワIB錠TXが解熱・鎮痛に最強の風邪薬です。

★鼻水・鼻づまり
主要成分はどれもいわゆる「抗ヒスタミン成分」となります。クロルフェニラミンマレイン酸塩は、dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩を省略した呼び名。lはdの邪魔をする成分なので、l体を取り除いたd-クロルフェニラミンマレイン酸塩の方が約2倍の効き目があり、副作用も少ないとされます。要するに、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩はあらゆる面でクロルフェニラミンマレイン酸塩に勝っています。それ以外の成分では、クレマスチンフマル酸塩はクロルフェニラミンマレイン酸塩と比較して持続性が長いという特徴があるようです。
上記の中では、ベンザブロックSプラスもしくはLプラスが鼻水・鼻づまりの症状に対しては最強です。

★咳・たん・くしゃみ
ジヒドロコデインリン酸塩は咳そのものを出にくくする、dl-メチルエフェドリン塩酸塩は気管支を広げて咳を鎮め呼吸を整える、という違いがあります。ジヒドロコデインリン酸塩は、咳を鎮める効果が極めて高いものの、成分的にはモルヒネに近いため依存性もあるとされます(市販薬で用いられる分量程度ではほぼ心配無用ですが)。
この量成分の配合量の合計プラス、他の補助成分の有無を加味すると、パブロンエースAX、エスタックイブEX、コルゲンコーワIB錠TXの3つが優れており、咳やたんなど喉の風邪に対して有効な風邪薬といえます。

★その他
なお、その他の欄に記載した成分の多くは、風邪によって失われた体力を回復するためのもの。通常の栄養ドリンクなどと比べても分量が少ないので、あまり風邪の回復に影響しないでしょう。

総合評価;ベストはコルゲンコーワIB錠TX、ルル系は駄目!?

鼻や喉などといったように、風邪の症状が特定の部位に出ている際には、上記を参照に薬を選ぶと良いでしょう。熱もあり鼻水や咳も出る・・・というように、全ての症状が出ている場合はどれを選ぶべきでしょうか?

解熱鎮痛と咳たんの2部門で最高、そして鼻みず鼻づまりに対してもベスト成分が含まれている(補助成分がないだけ)というコルゲンコーワIB錠TXが、総合的にベストな風邪薬だと判断できます。価格も平均的なので、特に問題が見当たらない薬ですね。

逆にワーストと言えるのがルルアタックFXです。成分比較表を見ての通り、他の風邪薬と全く異なる独自の配合を行っているので、効果が全くの未知数です。体質に合えば凄く効く可能性はありますが、逆に全く効かないリスクもあります。コスパも最も悪い(一日辺りの価格が高い)ので、あまりお勧めできません。筆者個人的にも、ルル系の風邪薬は効かない事が多いので、良い印象は全く無いですね(あくまで個人的感想ですが)。

なお「風邪」というのは、上記のような症状の総称であり、インフルエンザのように原因のウイルス・菌が特定された病気ではありません。

市販の風邪薬は病原体を攻撃・除去するものではなく、あくまで発熱や咳・たんといった身体の症状を抑えるためのものです。従って風邪そのものを治すのは、本人の免疫力・自己治癒力です。風邪薬は身体の過剰反応を抑えているだけに過ぎないのです。 熱や咳を強引に抑えると、身体の免疫反応を抑えていることになるので、かえって完治するのは遅くなるというのが近年の定説です。

上記のような協力な風邪薬は、仕事でどうしても・・・というケースのみに限定し、なるべく身体の反応を抑制せずに治癒を目指すのがベストです。

※注意事項;薬の効き具合等は個人差があります。また当サイトで各薬の効能や安全性を保証する訳ではありません。薬の服用は自己責任で願います。

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